「何度も通りたい」一礼して一の橋を渡る。
穏やかな冬の日差しがさす午後だったが、参道は杉の木立で日光が遮られ薄暗い。
まず見えてきたのは「数取地蔵」と呼ぱれるお地蔵さまのお堂だ。古くからこの地に置かれていたものの、一時行方不明となった。
江戸中期に大坂の塗師、多左衛門が夢でお告げを受け、高野山の地中から発見されて再び姿を現したと伝わる。
数取地蔵はこの場所で参道を往来する参詣者の顔と名前を覚え、閣魔大王に何度奥の院に参ったかを知らせる。
回数が増えれば現世での功徳が積まれ、罪を軽くするように計らってくれるという。
安川さんは「何度も行き来されたらいいですよ」と私たちの来世の心配もしてくれた。
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